新歓ブログリレー2021
オープンデータのはなし
公開日:
2021/04/12
オープンデータのはなし

近年、行政機関などで「オープンデータ化」が進んでいます。これについて、ブログのネタとして自分なりに紹介してみます。一部個人の私見が入っています。あと画像とかがないですがよろしければどうぞ。

定義

国の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議なげぇよが決定した『オープンデータ基本指針』には以下のように記載されています。(注釈は本文内に埋め込んでいます)

国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。(但し、セキュリティの理由により、利用者に対し、事前登録を求めたり、データへのアクセス方法に制限を設けたりといった措置が講じられることがあり得る)

  1. 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
  2. 機械判読(コンピュータプログラムが自動的にデータを加工、編集等できることを指す。)に適したもの
  3. 無償(オープンデータとは言えないものの、データ提供システムの維持管理に要するコストを限定された利用者からの料金徴収でまかなうケースもある)で利用できるもの

つまり、無料で、営利目的でも二次利用可能で(完全に自由ではなく、一部の行為が禁止されていることもある)、コンピュータプログラムで読み取り加工しやすい形式で公開されているデータのことを指します。商業利用禁止のものや、手書きのデータなどは含まれないわけです。

利点

オープンデータとしてデータを公開するのもタダではなく手間、人手がかかります。しかし国は『官民データ活用推進基本法』を成立させるなど、オープンデータ化を推し進めています。その主な理由として3つが挙げられています。

  1. 国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済の活性化
  2. 行政の高度化・効率化
  3. 透明性・信頼性の向上

1と2について要約すると、様々な問題の解決や効率の良い手段の開発につながるということです。具体例は後でみていきます。3について、および1と2のより詳しい内容は『オープンデータをはじめよう ~ 地方公共団体のための最初の手引書 ~』を参照ください。ページ数は多いですが、非常にわかりやすく書かれています。

公開されているデータの例(大阪府)

大阪府オープンデータサイト

活用例

当初は自分の言葉で説明するつもりでしたが、大阪市オープンデータポータルサイトにわかりやすい例が多く載っていたのでリンクを貼っておきます。

活用事例 - 大阪市オープンデータポータルサイト

これを見ると、大阪市が開発したサービスだけではなく、民間事業者などによる全国に展開されているサービスでもオープンデータが使われていることがわかります。通常多くの自治体から情報を入手し、整理するのには手間がかかりますが、オープンデータ化によりそれらを容易にすることでサービスの開発を容易にして、生活を豊かにしているとわかります。

規格の統一

データの公開を行うだけでなく、より利用がしやすくなるようにデータの統一規格を定める場合もあります。例として、「標準的なバス情報フォーマット」があります。なおバスだけでなく、渡船などでも採用されています。バス路線は複雑で、また知名度が低いため、国としてはそこに焦点を当てているのだと思います。これはGoogleが策定した規格を国土交通省が日本向けに拡張したもので、バス停や時刻表の情報を格納しています。

これによって、経路検索、乗換案内サービスへの掲載がしやすくなるという利点があります。また発車案内表示(デジタルサイネージ)など他のサービスについても、ソフト開発側は統一規格に対応すればいいため開発が容易になり、また交通事業者にとってはソフトごとにデータを変換する必要がなくなると考えられます。なおこれは統一規格の利点であって、交通事業者が限られたサービスを利用するだけの場合はオープンデータの利点にはあまりならないと考えられます。一方第三者や他部署によるサービスでは、オープンデータ化と統一規格化の相乗効果で開発が非常に容易になるのだと思います。

このへんの話は下記のリンクが詳しいです。

全国で進むGTFS-JPデータ整備:経路検索サービスでの活用と応用

まとめ

以上のように、オープンデータの公開によりさまざまな効果があると考えられます。まあこの記事の内容が直接業務や将来の仕事に役立つことは多くないと思いますが、頭の片隅にでも置いてもらえればと思います。

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