ゲーム制作
ウディタとは何か?
公開日:
2021/04/26
ウディタとは何か?

はじめに

ウディタとはSmokingWOLF氏によって開発された、高度なRPG開発が可能なゲーム制作ツール「WOLF RPGエディター」の通称です。
…はい、え~いかにも解説記事っぽいタイトルを付けましたが、実際はもう既にこのネットの海に数多の解説記事や解説動画が載っているんですよね。
ということでこの記事では私の主観的な意見として、ウディタを使用する長所と短所を簡単に、思いつくまま述べていきます。

長所

ウディタを使ってゲーム制作を行う上でのメリットです。

無料で作り放題

ツールの利用にあたって発生する料金は 一切無く 、このツールを用いて制作したゲームは 自由に公開したり、販売したりする ことが可能です。
商用利用する場合は許可を得たり、お金を払わないといけなかったり、いくら以上稼いではいけないといった制約も全く無いため、そういった部分での余計な心配は無用です。
(ただしこれはツールの規約なのであって、当然ですが使用する画像や音声素材の規約については別途考慮する必要があります。)

サンプルシステムが組まれている

ツール本体は公式サイトよりダウンロードできますが、ダウンロード後の初期状態の時点で既にサンプルゲームが組まれており(この予め用意されているシステムを「基本システム」と呼びます)、まずはそれを遊び、改造するところから無理なく制作に慣れていくことができます。
要するにまずは用意されたサンプルゲームをプレイヤーとして遊んでみた後、エディターの方でマップの「草」のマスを「石」に置き換えてみたり、敵のHPを9999にしてみたり、色々な画像を別の用意された画像に入れ替えてみたり、といった具合ですね。

各種データの設定が楽

ウディタには「データベース」という、変数や文字列を最大100個並べて入力、保存することが可能な「データの入れ物」が搭載されています。
各々の項目には名前を付けることができるので、以下のような各キャラのステータスや、各種の技やアイテムの威力や効果を設定したり、それらを見やすく効率的に保存したりすることができます。 他のツールでは配列や外部ツール等を使用するところを、ウディタではこのように簡単かつ視覚的に管理することができるというわけですね。
ウディタを使用する 最大のメリットの1つ と言われるほど便利なシロモノです。

短所

上で述べたような長所に対する、ウディタを使う上でのデメリットです。
あくまで個人的な意見であり、ツールの印象を少なからず下げてしまうようであまり書きたくはないのですが、一部の方にとって参考となるかもしれないということで。

処理速度が遅い

ウディタの制作者、SmokingWOLF氏によると 「ウディタよりプログラミング言語であるC言語(C++)の方が約1300倍速い」 とのことです(2009年時点の情報につき、現状と多少異なる可能性はありますが)。
1行のシンプルな処理であっても、数値のオーバーフローを避ける処理や、エラーに対応する処理などが裏で走っていることが、遅くなってしまっている主な原因のようですね。
まぁこういった優しさの処理のおかげで安定した制作環境やプレイ環境が得られているんですけどね。
コマンド形式の戦闘RPGやノベルゲーム等では恐らくあまり気にならないデメリットですが、アクションゲームやシューティングゲーム等を制作する場合は大きな壁が立ちはだかることになるのでしょう。

使える変数に制限がある

プログラミングでは1つのスクリプトや関数内では変数を宣言した数だけ使えますが、ウディタでは数値が何個、文字列が何個と一度に使える変数の数が限られています。
また使用可能な変数の種類ですが、数値はint型、文字列はstring型のみに限定されており、float型やlong long型、char型などは使えません。
よって、文字列に関してはそれほど困らないですが、扱える数値に関してはint型であるゆえに ±2,147,483,647 以内の 整数値のみ で、さらにツール内ではオーバーフローを避ける関係上、原則 ±20億 以内しか扱えないことになっています。
つまり、小数や巨大な数を保存したり、表示したりしたい場合はちょっとした工夫が必要になります。
慣れればどうってことないですけどね。

3Dゲームの制作には適さない

ウディタは2Dゲームの制作に特化したツールなので、3Dゲームを制作することは非常に困難です。
ある程度の専門的な知識や技術をもってすれば作れなくもないですし、実際に制作されている事例もいくつかありますが、2Dと比べて難易度はかなり高くなると思ってください。
2Dゲームエディターで3Dゲームを作るという挑戦をしてみたい方はどうぞ。
きっと楽しめる方は楽しめるはずです。

さいごに

何かあったらまた加筆、修正が行われるかもしれません。
この記事が私自身のメモであるとともに、ここまで読んでくれたあなたにとっての新たな知見となれば幸いです。

参考文献

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